海外販売(越境EC)プラットフォーム選定のポイント

副業、主婦のお小遣い稼ぎ、小売業・製造業の海外進出。
様々なニーズで海外販売へ取り組みを考える方は増えています。

さて、始めるにあたりまず検討すべきはプラットフォームです。
自社サイトを作成するか?
それともAmazonやebay等の大手販売プラットフォームを利用するか?

それぞれに、メリット・デメリットがあります。
それらを理解した上で、自分に最適なプラットフォームを
選定する事が、成功への第一歩です。

越境ECのプラットフォーム選定のポイント

越境EC販売を開始する際にメジャーな選択肢となるのは、
ebay、Amazon、そして自社サイトです。
では、いくつかの観点で比較してみましょう。

Firstname ebay Amazon 自社サイト
集客力 ×
収益性 ×
リピーター育成 ×
成長スピード ×
英語の障壁 ×

①集客力

集客力は、Amazonやebayが自社サイトより圧倒的に勝ります。
ebayのアクティブユーザー数は全世界に1.8億人(2019.3Q)。
一方のAmazonは3億人(2017)という統計があります。
いずれにしても日本の人口を軽く超える膨大な数のユーザーが、
常に活動している訳です。
必然的にそこに出品するだけで、ユーザーの目に触れる機会は多い。

一方サイト販売は、集客を独自で行わないといけません。
広告を打ったり、記事を書いてGoogleの検索されやすくしたり
(SEO)。この差は、大きいです。

②収益性

集客力と収益性は表裏の関係です。
大手プラットフォームは、集客力があるから、高い手数料を取れる。
Amazonもebayも10%前後の手数料が必要。
原価が70%としたら、残りの30%のうち10%をプラットフォームが
持っていくわけですから、利益が2/3になる訳です。

さて、Amazonとebayの比較ですが、ebayの方が稼ぎやすいです。
Amazonは商品カタログベースでの出品となり、
どうしても競合が激しくなるからです。

また新品が中心になる為、主には薄利多売戦略となります。
一方ebayは商品写真や商品説明などによる差別化が可能ですし、
利益が大きい中古品も扱いやすいです。

但し、これは転売を前提とした話です。
自社商品などはAmazonの利点を活かせますので、後述します。

③リピーター育成

ビジネスで最も大切な事は、得意客・リピーターの育成です。
ですからこの項目は、プラットフォームの選定にあたり
かなり重要な要素です。

まず、最も有利なのは、自社サイト。
自社サイトでは、個人情報の収集が可能であす。
また、顧客も自社サイトを意識して訪問している為、
顧客のロイヤルティ(お店への忠誠度)が高まりやすいです。

ebayでもemailアドレス顧客情報の収集が可能です。
メールマーケティングが出来る事は、
リピーター養成の大きな武器です。
ただ、自社サイトほどストアが目立たない点が難点と言えます。

一方Amazonは、顧客がセラーをあまり意識する事がありません。
顧客は、Amazonから買っているという意識が強い。
リピーターを育成する事が難しいプラットフォームと言えます。

④成長スピード

Amazonは、カタログベースで出品が容易ですし、
ebayの様に新しいアカウントの出品制限が無いため、
大量出品が可能で、実績が早くあげれるプラットフォームです。

ebayは、最初から出品数・出品金額に制限があります。
$500、10品からスタートし実績に応じて上がっていきます。
そのうちリミットは気にならなくなりますが、
実績が出るまで、時間がかかります。

最も難しいのは、自社サイトです。
集客を軌道に載せるために、記事等の情報資産を構築し、
Googleで検索されるようになるには、一定の時間を要します。

⑤英語の障壁

英語の必要性が最も少ないのが、Amazonです。
カタログベースの出品ですし、問い合わせもあまり入りません。

ebayは、顧客とコミュニケーションしたり、
商品説明を書いたり、英語力はそれなりに求められます。
ただ、翻訳ツール一本で対応されているSellerも多い為、
致命的な障壁にはなりません。
それに、buyer側も日本人は英語が苦手な事を知っているので、
むしろ英語ができれば、それだけで喜ばれます。

サイト販売は、日本人だからという甘えは通用しません。
英語の質も問われます。
通じればOKではなく、自然な英語を書かないと、
サイト自体の信頼性に影響します。

転売ならebayから自社サイトへの移行がお奨め

では結論としてどのプラットフォームを選ぶべきでしょうか?

副業や小遣い稼ぎなど売り物が決まっていない場合は、
ebayからスタートして、自社サイトへの移行が望ましいです。

自分の領域、ショップコンセプトが固まらないうちは、
ebayで様々な商品を取り扱ってみて、自分の方向性を確立する。
そして、一旦コンセプトが固まれば、
リピーター育成に注力すべきです。

ebayで取得したメールアドレスでメールマーケティングを行い、
Facebookなどで顧客との繋がりを持ちます。
そうすると、自社サイトへスムーズに誘導する事が可能です。
そうする事で自社サイトの集客力の弱さをカバーできます。

最終的には自社サイトで販売できれば、収益力が上がります。
ebayは新規顧客獲得手段として残しておき、
ebay+自社サイトで、運営するのが一つの理想形です。

オリジナル商品の場合はAmazonの利点を最大限活かせる

では日本の製造業など、OEMなどで海外販売を目指す場合、
つまり既に売り物が決まっている場合はどうでしょうか?

売りたいものが独占的に扱えるようなケースでは、
Amazonがお奨めです。
Amazonの集客力は非常に強いし、製品管理や発送を行って
くれるfulfillmentサービスを利用すれば、オペレーションの
手間が大幅に削減できます。

競合が激しくなるのが、Amazonの最大のデメリットなので、
それが無い商材を扱えればメリットだけが残る訳です。

そして、少品種で莫大な売上を上げる事も可能、
かつ利益率も転売とは比較にならないくらいとれるため、
ビジネス効率としては圧倒的に優れています。
ネット販売の一つの理想形と言えると思います。

戦略に合わせて最適なプラットフォーム選定を

今日挙げた以外にもプラットフォームは群雄割拠。
新興勢力もあります。

例えば、東南アジアの地域限定で非常に強いShopeeは、
私のサイトを通して先方から出店のオファーがあり、
現在試行中です。

このように特定地域に特化したプラットフォームや、
例えばアパレルのetsyなど商材に特化したものあります。
自身の環境や戦略に合わせて、最適なものを選定していく事が
重要です。