事業者が海外に販路を求める為にebayに参入する場合は、
商材は既に決まっている場合が多いですが、
そうではなくてサイドビジネスなどでebayに参入さる方には、
専門店と何でも扱うよろず屋の二つのタイプがあります。
今回のテーマは、専門店かよろづ屋のどちらを選択すべきか?
僕は、専門店の方が圧倒的に有利だと思います。
今回はその理由と、専門店化にあたり一番難しい
テーマの選定方法について解説します。
専門店化のメリット① リピーター、ファンが育成できる
専門店化のメリットはリピーター、ファンを育成しやすい事。
これが、最大のメリットです。
商売は如何にリピーターやファンを育成するかです。
専門店は、そのお店のテーマ、つまりショップコンセプトを
持っているので、それに沿った店作りをしっかりしていれば、
そのコンセプトに共感したお客様が集まります。
そうしてお店へのロイヤルティ(忠誠度)が高くなった
お客様は、リピーター化してくれるだけでなく、
口コミで他のお客様も引き寄せてきます。
これが上手く回りだすと、売上も収入も簡単に伸びていきます。
SNSがコミュニケーション手段として主流の現代において、
口コミは最強のマーケティング手段なのです。
専門店化のメリット② 高く売れる
まったく同じ商品でも専門店の方が高く売れるという事を、
なんとなく理解できる方は少なくないでしょう。
実際にロイヤルティの高いお客様は、
多少であれば値段に左右されません。
ひとつ実例を示します。Terapeakというツールで
僕の商材の売れ筋商品を検索した結果です。
1行目と3行目は同じ商品で、1行目は競合セラー、
3行目が僕の販売実績になります。
Average Sale Price (平均販売価格)と
Average Shipping(平均送料)を足すと、
1行目の競合セラーは、$10.97 + $0.36 = $11.33
一方僕の方は、$9.80 + $3.33 = $13.13
つまり、僕の方が$1.8高く売っていて、
それでも販売実績は競合セラー120個に対して僕が104個。
それほど大きく変わりません。
仕入れ価格が仮に同等とすると、
利益にするととんでもない差となってきます。
上記に挙げた例は、たまたまそうなったものを
挙げている訳では無く、概ね他の商品でも同じ傾向です。
そしてもう1点。
専門店にすると高額商品が売れやすくなります。
高額商品は、やはり信頼のある店舗から
買いたいという心理が働くからです。
つまり、専門店はファンを惹きつける事によって、
売りやすく、かつ高く売れるという事になります。
専門店化のメリット③ 仕入れが有利になる
一方で、仕入面に関しても専門店の方が有利です。
その理由は二つあります。
一つ目は、目利きが出来るようになる事。
商材を絞っているため、同じ商品を繰り返し扱う事になります。
必然的に、どの商品がニーズが高いか、
何が儲かるかという事について理解が深くなります。
物販において、この仕入れの目利きというのは、
非常に重要で、他のセラーが見向きもしないような
商材でも利益をあげれるようになります。
そして二つ目の理由は、安い時に大量仕入れが
出来るという事です。
売れ筋のものが大型店舗のキャンペーンセールなどで
出た時に大量購入をするのです。
大量購入は、在庫リスクを抱えるという事なのですが、
専門店だと、さばきやすいですし、
売れるかどうかの見極めも的確にできる為、
自信を持って在庫を保有する事ができます。
またキャンペーンでなくても、
販売者側がとの交渉により大量購入のディスカウントを
得れる場合もあります。
更に強力な手法は、記念発売品や期間限定品などを
大量購入しておくという手法です。
これは、販売終了と同時に値段が跳ね上がりますから、
利益をとるのが非常に用意です。
資金は必要ですが、メリットも大きいです。
上記の様な機会をフルに活用すれば、
仕入れ値を抑える事ができて、
価格優位性を持つことが可能になります。
専門店化のデメリットとは
販売時にも仕入れ時にもメリットがある専門店ですが、
ではデメリットは何でしょうか?
専門店は扱う商材が、その領域に絞られます。
従って、選択したテーマにより成否が大きく
左右されるという事です。
おそらく専門店化した方が良いという事は、
感覚的に理解できていても、いざ領域を絞ろうとすると、
なかなか自分の選択に自信が持てないという事態に直面します。
リアル店舗と違って、ネット輸出は在庫を持たなくても
販売する事が可能な為、他の商材を取り扱う事も簡単です。
そして、その柔軟性がゆえに、他に目移りし、
領域が絞りにくくなるのです。
実際に僕自身も、自分の領域一本でやっていくという
決断をする迄2年くらいかかりました。
自分自身が選択したテーマが正しいかどうかを見極める
事が非常に重要になります。
専門店のテーマが正しいかどうかを見極める
テーマとして正しいかどうかは、主に以下の点で判断できます。
①マーケットボリュームがあるか?
②利益がとれるか?
③リピーターがつくか?
①のマーケットボリューム
マーケットボリュームは市場規模です。
年間の売上高でみれますが、ニーズの有無を判断するのに最適です。
eBayのresearchにあるTerapeakというツールで求める事ができます。
上記は、僕の商材を検索した結果です。
過去1年分のデータを対象としています。
マーケット規模は、以下の数式で求める事ができます。
(平均単価+平均送料)*販売個数
つまり僕の商材の例だと、以下がマーケット規模となります。
($25.76 + $5.85)* 29,853 = $943,653
この規模が$500,000くらいはあった方がいいと思っています。
例えば、10%のシェアが取れたとして、年間売上が$50,000。
日本円で500万円強です。
②利益がとれるか?
二つ目の条件は、利益が取れるかどうかです。
利益が取れる商材は、限定品やヴィンテージ系などです。
つまり競合が少ない製品です。
僕の商材だと、これらは概ね30~50%くらいの利益がとれます。
一方、市販流通品も扱っていますが、それらは競合が激しく
5%~10%程度です。
そして自分のお店の中で、こういう商品のウェイトが高ければ
高いほど良いです。僕の場合は、70%~80%が限定品や
ヴィンテージ系商品。それ以外が市販の流通品です。
ちなみに5~10%の利益率でもたくさん売ればいい、
という考え方もあります薄利多売戦略です。
でも、僕はおすすめしません。
これは価格競争力がすべてです。
あなたが、小売店などを営んでおり、直ルートで安く仕入れる
事ができるなどの強みがあればよいですが、
そうでなければ、価格競争力を維持する事が難しいからです。
③リピーターがつくか?
そして最後、リピーターがつくかどうか。
これは客観的な指標をお伝えするのが難しいですが、
僕の場合はある程度品揃えが出来た段階から、
熱狂的なファンが何人かついてきました。
彼ら、彼女たちがお店をSNSやコミュニティで
宣伝してくれたおかげで今の実績があるのですが、
正しいコンセプトでお店作りをすれば、必ず
それに共感するファンやリピーターが現れるはずです。
たった一人でも構いません。その一人のファンを徹底的に
大事にしてみる事です。意見を聞いても、客観的な意見を
返してくれると思います。
それを取り入れて、改善して、リピーターが増えていけば、
その方向は正しいという事を意味しています。
僕は、個人輸出に取り組む人が、皆さん専門店化して、
専門店街のようになれば良いと考えています。
その方が、buyerにとっては魅力的だからです。
そして、その様なセラーのコミュニティを作る事も
一つの目標です。
実施していく上で、悩みなどあれば相談に乗りますので、
気軽にメッセージください。